STORY

七シコブチの物語

安曇川

滋賀県高島市に流れる安曇川。
琵琶湖に流入する水量が
最も多いこの川には、
全国的にも珍しい固有の信仰
「シコブチ」がありました。

安曇川と筏師

近江(滋賀県)は京都や奈良に近く、
古くから建築の材料となる木材が豊富にありました。
安曇川を利用し、都への水上輸送に優れた近江の高島は
重要な役割を果たしていました。

当時、木材を水上輸送する方法は筏であり、
安曇川の水流は流れも速く、大きな岩も数多くあり、
輸送は筏師の命を掛けた仕事でした。

筏師が無事に帰ってくることを願って、
川の魔物を取り除く神様「シコブチ」が誕生し、
安曇川周辺に暮らす人々の間で信仰されていました。

シコブチさん

その昔、
高島の筏師「シコブチさん」が
幼い息子を筏に乗せて川を下っていると、
筏が岩に当たり
進まなくなってしまいました。

すると河童が現れて
息子を川底に引き入れようとしました。
シコブチさんはガワタロウと名乗る
この河童を懲らしめ、
二度と筏師に手を出さないと誓わせます。
以来、シコブチさんは
川の魔物を退治する「シコブチ神」として
祀られるようになりました。

このシコブチ神を祀る
主要な七社を「七シコブチ」と呼びます。

七シコブチ

①:坂下・思子渕大明神
②:坊村・信興淵大明神
③:梅の木・志子渕神社
④:久多・志古淵神社
⑤:小川・思子淵神社
⑥:岩瀬・志子淵神社
⑦:中野・思子淵神社

  • 坂下・思子渕大明神

    滋賀県大津市葛川坂下町に鎮座。
  • 坊村・信興淵大明神

    滋賀県大津市葛川坊村町に鎮座。
  • 梅の木・志子渕神社

    滋賀県大津市梅の木町に鎮座。
  • 久多・志古淵神社

    京都府京都市左京区久多中の町に鎮座。
  • 小川・思子淵神社

    滋賀県高島市朽木小川に鎮座。
  • 岩瀬・志子淵神社

    滋賀県高島市朽木岩瀬に鎮座。
  • 中野・思子淵神社

    滋賀県高島市安曇川町中野に鎮座。